Fate/Apocrypha第1巻読了。

冬コミで購入してから実に3ヵ月放置していましたが、ゲーム版Fate熱に中てられてそのままの勢いで
読み始めました。
いやはや、元がオンラインゲーム企画ということでどういう内容なのかと思いきやオリジナルに勝るとも劣らない
燃える展開に一気に読み進めてしまいましたよ。
本編の感想はネタバレになるため最後にするとして、この聖杯戦争というシステムはよく出来ているいなぁと
今更ながら感嘆。
作中内における聖杯戦争システムの事ではなく、メディア展開としての聖杯戦争という構造が。
古今東西、過去に実在した人物から空想上の人物までありとあらゆる英雄が募って繰り広げられるバトルロワイヤル。
僕が考える一番強い英雄という妄想を物語に組み込んで繰り広げられる頂上決戦とか燃えないわけがない。
サーヴァントにおける各クラス区分や能力のパラメータ化、宝具(切り札)の存在が単純なパワーバランスを
決定づけない構造といい、ほんとよく練り込まれたシステムだなぁ、と。
従来より妄想大好きな同人種にとっちゃ、こういう終わりのない話の膨らませ方はいくらでも美味しく頂けます。
もちろん物語を昇華させる作り手の技量あってこその面白さというものもありますが、大前提における
聖杯戦争の構造が如何様にも展開できるようになっていて、そりゃあFateだけで10年以上も展開され続けますよね、
と納得せざるを得ないというもの。
Fate/Zeroだけではなく、今回のようなFate/Apocrypha(外典)やFate/Extraのような派生まで展開され、
まだまだFateは終わら無さそう。
差し当たってはPrototypeが面白そうなので、さっさとアニメ化しちゃって下さい(笑)
んでは本編の感想を簡単に。
以下ネタバレにつき折り畳み。
Fate/ApocryphaはFate/Extraのように「聖杯戦争」という題材を利用した全く別の話なのかと思いきや、
まさか第三次聖杯戦争の結末が異なるif展開(平行世界)の話だとは思いもよらず、原作のstay nightを
知っている身としてはニヤリどころかワクワクせざるを得ない内容なのですよ…!
第三次の結末が異なるため、第四次以降の展開は無かったことにされた世界なので、当然stay nightに登場した
キャラクターも別の可能性を秘めているわけで、Fate/Apocryphaにおける「コトミネシロウ」ってやっぱ
そういうことなんだよね?と。
第四次聖杯戦争の結末は回避されたので一般人としての人生を歩むのかと思いきや運命からは逃れられないと
ばかりに聖杯戦争に参加するシロウさん。
コトミネの性といい教会側の人間といい、一体何がどうなって今回の経緯に至るのか先が楽しみで仕方がありません。
今作は七騎vs七騎の聖杯大戦ということで計14騎のサーヴァントが集結。
これだけ数が揃うと第四次や第五次で登場したサーヴァントが再登場してもおかしくない、むしろ登場させないと
不自然に感じてしまうのでどうなるのかと思いきや、今回の聖杯戦争の経緯(第三次が異端により終結)から、
本来辿るべき道筋を削がれ、第四次、第五次で使用される英霊縁のアイテムが秘匿された、という流れは
なるほどなぁ、と納得。
そのくせ縁のある英霊(モードレッド、ジル等)を登場させて関係を匂わせる展開とかファンサービスもぬかりねぇ…!
些細なこととは云え、こういう補足とか蛇足って設定大好き人間からするとすげー嬉しいのですよ。
もちろん新たなマスターにサーヴァントも魅力的なキャラクター揃いでオリジナルにも引けは取りません。
Fate/Apocryphaは全4巻構成のようで、まだ第1巻ということもあり聖杯大戦の導入部でしかないですが、
個人的に掴みはばっちし早く続きが読みたくて仕方がない。
Fateだけではなく並行世界等、既に誰もが知っている味わっている食材(ネタ)ですが、出てきた料理が何度も
食べた事のあるものでも美味しければ客は文句なんか言わないのです。
調理(作り手)次第で何度でも楽しむことが出来るのです。
一歩間違えると飽きられるという危険性を孕んでいながらも、まだオードブルしか味わっていませんがここまで
美味しく楽しめさせてくれたFate/Apocryphaという作品は個人的に大当たりっぽいので2巻が出る夏コミが
今から待ち遠しい…!
メインディッシュからデザートまでどんな料理が出てくるか!
こりゃあ今年も夏コミは参戦だな。